センター大学 国際文化学科3年 法水美咲 <2号 2022年11~12月>

センター大学での生活

 第1号では留学準備のことに関して述べたので、今回の報告書では、寮生活や食生活のことについて詳しく書きたいと思います。

寮生活
 前回の報告書で述べた通り、私たち交換留学生の寮はランダムに決まります。私のように、古い寮に決まる人もいれば、運よく新しい寮に入れてもらえる人もいます。殆どの学生が、ルームメイトと同じ部屋で暮らしています。3年生や4年生になり、自分だけの部屋を持ちたくなった学生は、追加のお金を払えば一人部屋にすることも出来ますが、私達交換留学生は基本的にアメリカ人のルームメイトと暮らします。部屋での暮らしは生活に深く関わってくる部分なので、入学前にアンケ―ト(部屋は頻繁に片付ける方か、部屋では静かにくつろぎたいか等)に答え、相性が合う人がルームメイトに選ばれます。私のルームメイトは、シカゴから今年編入してきた、一つ下の2年生の女の子です。アンケートのおかげか、就寝時間や部屋での過ごし方に特に問題はありません。一緒にどこかに遊びに行くほど親しいわけではないですが、同じ部屋で暮らしているのでよく話をしますし、お互い性格も理解しているので、上手くやれています。
 最初に寮に着いた時、部屋には机、収納棚、ベッドしかありませんでした。したがって、布団やその他必要なものは全て自分で用意する必要があります。収納棚がかなり大きいのと、1年の滞在であまり多くの物を必要としないため、収納には困っていません。むしろ、4年滞在で荷物が沢山あるルームメイトと比べると、私側のスペースはミニマリストの部屋のようになっています。
 シャワー・トイレは階ごとに共同で、(私の住んでいる寮では)部屋の右側にトイレが4つあり、左側にシャワールームが4つあります。シャワーがトイレと同じ部屋にあるため、学生はみんなバスルーム専用のスリッパを買い、履いたままシャワーを浴びています。また、シャワールームの中にシャンプー等のボトルを置く棚はないため、カゴを買い、シャンプー・トリートメント・洗顔など必要なものを中に入れ、毎回持ち込んでいます。そのため、着いたらすぐにお風呂用のスリッパと物を入れるカゴを買うことをお勧めします。
 次に、洗濯事情について説明します。まず、全ての寮の地下に、洗濯機が置いてある部屋があり、空いていたらいつでも使えるため、そこに関してはあまり心配しなくても大丈夫です。ですが、これも共同なため、多くの人が洗濯する土日は避けるなど工夫が必要です。洗濯機と乾燥機がどの寮にもあり、二つ合わせて大体2時間ほどで完了します。私が一人暮らししていた時に使っていた洗濯機は、乾燥機能がなく、毎回干していたため、乾燥機が置いてあることはとても嬉しく思っています。この洗濯機は、靴や、寮を掃除したモップ等を洗うことにも使われるため、服やタオル等も全部洗濯ネットに入れて洗濯した方がよいでしょう。

食事について
 食事は、多くの学生がミールプランを契約し、キャンパス内の食堂で食事をとっています。私は週12回食事がとれるプランにしているので、昼・夜6日と、残りの1日は学内のカフェでベーグルを食べたり、寮でパスタやラーメンを食べたりしています。ミールプランには、食堂での食事回数の他に、Flex dollarsというものが自動的にチャージされています。このFlex dollarsは、学内でのカフェ、売店など食堂以外での食事すべてに使えます(学生証で自動的に払われます)。学内には2つカフェがあり、図書館の中にあるEinstein Brother's Bagels というベーグルを食べることの出来るカフェと、ジムの二階にあるHall of fame という、スターバックスの機械を導入しているカフェがあります(働いている人はスターバックスの方ではありませんが)。カフェではピザや、サンドイッチなど軽食も買えるため、ついつい買ってしまいがちですが、Flex dollarsでのみ購入できるため、計画的に使うことをおすすめします。しかし、もしFlex dollars を全て使いきってしまい、残高が0になってしまっても、追加で支払えばまたチャージすることもできます。
 食堂のご飯はビュッフェ形式で、食べたいものを食べたいだけ取ることができます。ご飯、ピザ、パスタ、サラダ、フルーツ等は毎回置いてあるため、栄養が偏ることもなく、健康面においても特に心配はありません。

この日は、イカスミパスタとサーモンがありました。
豪華な時と、そうでない時の差が大きいです。

Fall semester(後半)~Final week

今回は、秋学期の後半部分の講義、それから期末テストについて書こうと思います。

・ARS110-a (Introduction to Drawing)
 期末テストはありませんでしたが、代わりにFinal projectがありました。今までは教授に指定された物を描いていましたが、最後の課題は、自分たちで書く物質を数個選んで描きました。私がこの課題で少し後悔していることは、計画的に進めることができず、締め切り前日に一気に終わらせてしまったということです。というのも、締め切り前の前日に哲学の期末テストがあり、それに時間を費やしたかったので、哲学のテストが終わってすぐ描きに行けば間に合うだろうと思ってしまったからです。
 テストを終えた後8時間ほどあったのですが、仕上げるのに思いの外時間がかかってしまい、あまり納得のいく絵にはなりませんでした。提出日の朝の講義では、それぞれの作品を壁に貼り、お互いに批評をしました。最後の日だったので教授がドーナツを買ってきてくださり、それを食べながら講義を受けました。批評の時間は緊張しましたが、重い雰囲気ではなく、口々にみんなが思ったことを発言するといった場でした。私の絵や、絵につけたタイトルについて他の学生から好評を貰うことができ、嬉しかったです。全体的に見て、教授も優しいですし、リーディング等の課題がないため、最初の学期にこの講義を取って正解だと思いました。

最後の授業です。どれも良い作品ばかりでした。

・PHI 171-b (Intro to Ethical Thinking)
 この講義では、期末テストがあり、今学期で習った範囲が全て出されました。前回書いた通り、私はこの授業にとても苦労していたため、勉強するモチベーションがあまり持てませんでした。しかし、テスト週間の直前で、その考えを変える出来事が起きました。
 この講義では期末テスト以外にも、定期的にテストを行うのですが、なんと、期末前の最後の定期テストで最高得点を取ることが出来たのです。テストの点が公開される日は、毎回そわそわしながらポータルサイトをチェックするのですが、この時は食堂にいたときにサイトを開き、点数を見て大喜びをしていました。私が、「(高いから)これは私の点数じゃないみたい!」と言ったら、友人が「間違いなく美咲の点数だよ!期末テストも頑張ろう」と言ってくれ、期末テストは今まで以上に頑張ろうと決心しました。
 テスト当日、指定された時間は4時間で、早く終わった人から途中で帰ることが出来ました。しかし、私は文章の読み書きにネイティブの学生より何倍も時間がかかるため、ほぼ4時間全部を使ってテストを受けました。そして、何回も見直しできる程の時間があったため、焦らず取り組むことができました。先にも述べた通り、今学期の範囲が全部出たため、学期の最初の頃に受けた範囲の問題も登場し、「この範囲を習った頃から今日までよく頑張ったなぁ」と、まだ終わってもいないのにテスト中に感動していました。テスト問題を無事埋め終え、先生に提出しに行ったとき、厳しい教授が、今までに無い程の優しい笑顔で「Thank you!」と言ってくださいました。この出来事もまた、私の涙を誘いました。
 友人に、「美咲を見ると、哲学の講義取りたくなくなる」と言われるほど、私にとってこの講義は大変なでした。しかし、思い返せば、こんなに毎日必死に勉強して、期末テストが終わった後の達成感を得られたのは久しぶりであると感じました。今後哲学の講義を取る予定は無いですが、この講義は私の秋学期をとても充実させたものにしていたのかもしれません。

哲学のテストを終えた後の美しい空です。

・MUS120-a (Materials & Structure of Music-I)
 Final projectでは、最初から最後まで自分で曲を作るという課題でした。作るにあたり、「〇小節ごとに主題を変える」や、「講義で習った技法を全て入れ、きちんと明記する」等いくつかの指示はあったものの、メロディやそれに伴う左手の伴奏も自分たちで作成しました。私は、作曲自体は楽しんで出来ていたのですが、講義で習った技法を曲中に入れることに苦労しました。技法も入れ、かつ前後が自然な流れになるよう、何回も練り直しながら完成させました。最後の講義では、自分で作った曲を自分自身で弾かせてもらえました。
 この講義は、作曲や音楽の基礎知識に興味がある方や、音楽をやっていた方なら楽しく受講することが出来ると思います。しかし、課題が少なくゆったりと受講できるかといえば、そういったわけでも無く、音楽用語や技法の挿入の仕方など暗記すること多いため、チューターを頼んで課題を手伝ってもらうことをお勧めします。

・THR 117-b (Acting-I)
 この講義もFinal projectとして劇を行いましたが、ひとつ前の一人芝居ではなく、パートナーと二人で演じるものでした。自分以外の誰かと対話を演じる際は、息を合わせることや、目線の動かし方など気を配ることが増えますが、相手と流れを作ることが出来るので、一人芝居よりも緊張せずに行うことが出来ました。今回も、前回と同様にシーンの元となる本を購入し、内容を理解した上で、人物を分析しながら練習をしていきました。
 本番で私たちが演じるシーンの原稿(演じるのは作品の中でもごく一部です)を最初に見た時、私は自分が演じる役の女の子に対して、少し意地悪で、そっけないといった印象を持ちました。しかし、本を読んでみて、彼女は家族との間に問題があり、人を信じることが出来なくなっていましたが、徐々に彼に心を開いてきているという事実を知りました。むしろ、本番のシーンの部分は、彼女が決定的に彼に対して心を開いた様子を表しているシーンだったのです。このように、背景を知った上で見ると、全く異なる見解が得られるということが、凄く面白いと感じました。パートナーと何回も練習を重ねたおかげか、本番では緊張せず、今まででも一番良いものができました。
 この講義は、教授が明るく、エネルギッシュな方であったため、とても良い雰囲気で受けられた講義でした。また、演劇をする機会はなかなか無いと思いますが、リベラルアーツカレッジであるセンター大学だからこそ、講義の一環として挑戦することが出来たので、これも留学の醍醐味であると感じました。芸術分野である演劇は、どこか他の講義とは違う枠組みで見ていましたが、本を読んで分析し、目線や声の強弱、文の区切り方を綿密に計算することなど、沢山の座学を要するということも学べました。毎回リフレクションとしてライティングの課題が出され、本を読む事でリーディング力も鍛えられるので、この講義を最初に取ることをおすすめします。

MUS 183-a (Centre College Choir)
 この講義は、テストもプロジェクトも特になく、10月に町の教会で、そして11月の定期発表会でコーラスのパフォーマンスをして、終了でした。週に2時間しかないため、部活のような感覚ですが、1単位をもらうことが出来ます。歌った曲は全部で6曲ほどで、どれも素敵な曲なので、歌っている側からしても、本番は感動しました。中でも、Tshela Moya( ke nna yo Morena)という、かつてアフリカで歌われていたという讃美歌が私のお気に入りです。教会で歌った際は、教会の厳かな雰囲気とコーラスメンバーの歌声が合わさって、とても美しかったです。

定期発表会の様子です。沢山の友人が見に来てくれました。

Winter vacation

 無事期末テストも終え、約1か月の冬季休暇がありました。年末は、期末テストを受けた後すぐに帰省をしている人がほとんどでした。私達留学生の中にも、アメリカに住んでいる親戚の家に滞在するという人や、1か月あるため母国に帰っている人もいました。キャンパスに残っている学生のために、大学が、LouisvilleやLexingtonへのショートトリップ等のアクティビティを用意してくれたため、残っている友人と楽しく過ごすことが出来ました。
    私は、12月22日~12月26日まで、ベトナム人の友人とニューヨークに旅行に行きました。有名な美術館に行ってゴッホやモネの絵画を見たり、タイムズスクエアに行ったり、美味しいレストランで食事をしたりと、本当に充実した5日間になりました。よく動画で、ニューヨークの地下鉄車内の手すり等でぐるぐる回る人を見ますが、車内で実際に遭遇したので、本当に存在するのだと驚きました。
 ニューヨークは世界で1番大きいと言ってもいいくらい、沢山の人、場所、そして食べ物があり、ニューヨークにいるだけで様々な国に来た気分を味わうことが出来ます。楽しかったことはもちろんですが、そういった点に関しても、良い経験がまた1つ増えたな、と感じました。ケンタッキー州からニューヨークは割と近いので、センター大学に留学される方は、興味があれば是非訪れてみることをお勧めします。


NY近代美術館(MoMA

味噌ラーメンを食べました。お店のラーメンは数か月ぶりなのでとても嬉しかったです。

チャイナタウン
中国に旅行に来た気分も味わえました。

クリスマスイブに、タイムズスクエアに行きました。

ブルックリン橋です。
このような大きな橋を歩いたことは無かったので、ワクワクしました。